怠け者の国 20-101004
串を刺したまま歩く豚の姿が、画面の隅にさりげなく描き込まれています。労せず食にありつけるという空想が、ユーモラスな形で表現されています。
■アーティスト
ピーテル・ブリューゲル [父] Pieter Bruegel the Elder (1525頃-1569)
フランドル(現在のベルギー)を代表する画家です。同時代の多くの画家が神話や聖書の英雄を主題としたのに対し、ブリューゲルは農民の日常や民衆の祝祭を中心に据えました。その視点は常に群衆の中にあります。収穫・婚礼・謝肉祭・雪遊びといった季節の営みを、細部まで丁寧に描き込んだ作品群は、16世紀フランドルの生活をそのまま記録した絵画資料としても価値があります。代表作「バベルの塔」では、人類の傲慢と神の意志という壮大な主題を扱いながら、画面には無数の職人や労働者が配置されています。歴史の歯車を動かすのは英雄ではなく、名もない人間たちであるという視点が、ブリューゲルの作品全体を貫いています。風景と人物を一体として捉える構図、季節や天候の描写の精密さ、そして人間観察の深さ。それらが融合したブリューゲルの世界は、500年を経た今も色褪せません。
■作品概要
Das Schlaraffenland / The Land of Cockaigne
木の根元に、三人の男が思い思いの格好で寝転がっています。槍と農具、書物と剣がそのまま放り出され、誰も起き上がる気配がありません。木の幹からは円卓のように菓子や卵料理が突き出し、遠くでは屋根に敷き詰められたパイの家、串を刺したまま歩く豚さえ描かれています。働く必要も戦う必要もない、そんな夢のような土地で、人々はただ満腹のまま眠りこけているようです。豊かさの果てにあるのが怠惰だとすれば、この光景はどこか滑稽で、少しばかり物悲しくもあります。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
半光沢紙使用
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
ブリューゲル 怠け者の国 コケイン国 ピーテル・ブリューゲル フランドル絵画 16世紀絵画 寓意画 風刺画 農民画 豊穣 怠惰 昼寝 パイの屋根 豚 農具 兵士 書物 剣 木の根方 円卓 卵料理 満腹 夢想 諧謔 民間伝承 油彩 板絵 ミュンヘン アルテピナコテーク 寓話 教訓 満ち足りた暮らし
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