名所江戸百景 大てんま町木綿店 31-100243
手前を歩む二人の女性は、木綿とは無縁とされた辰巳芸者とその供と見られています。トンボ柄の絹をまとい素足に下駄といういでたちが、木綿問屋の実直な町並みと対照をなし、江戸の多様な暮らしぶりを感じさせます。
■アーティスト
歌川 広重 (うたがわ ひろしげ) [ 寛政9年(1797年) - 安政5年9月6日(1858年10月12日) ]
江戸の情緒を鮮やかに描き出した浮世絵師であり、その風景画は心に静かな余韻を残します。北斎がダイナミックな構図と力強さで自然の迫力を描いたのに対し、広重は移ろう季節や雨、雪、夕暮れといった繊細な瞬間を優美に表現しました。特に、深く澄んだ藍の色調「ヒロシゲブルー」は、彼の風景画を象徴する存在であり、異国の人々にも「日本の青」として強い印象を与えました。『東海道五十三次』に代表される旅情豊かな連作は、江戸庶民にとって憧れの旅を紙の上で体験させる窓であり、同時に自然と人間の調和を静かに語りかけます。広重の作品は今なお、淡い雨や霞む空気までをも感じさせ、私たちに日常の中の美しさと一瞬の儚さを見つめ直させる力を持ち続けています。
■作品概要
名所江戸百景 大てんま町木綿店(めいしょえどひゃっけい おおてんまちょう もめんだな)
江戸随一の木綿問屋街、大伝馬町。夕暮れ時か、藍染めの暖簾が並ぶ通りを、裾を引く二人の女がしずしずと歩みゆきます。手前の大きな柱は木戸の一部、通りの奥へと吸い込まれるように連なる店々の暖簾。「たばたや」「ますや」「しまや」、一枚一枚に染め抜かれた屋号が、当時の繁栄を今に伝えます。遠近法を巧みに用いた構図は、通りの奥行きをいっそう際立たせ、江戸の商業地の活気を静かに物語ります。女たちの装いは辰巳芸者とその供、木綿とは縁遠い粋な姿だからこそ、かえって木綿の里の賑わいが引き立って見えるのでしょう。青みを帯びた通りの色調に、暮れゆく空の余韻が重なり、江戸の一日の終わりを思わせる情景。堅実な商いの町ならではの落ち着いた美しさが漂う一枚です。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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