踊り 上海ニューカルトン所見 35-101002
グラスは手つかずのように並び、二人の女性は互いに言葉を交わす様子もありません。一人は横顔で、一人は後ろ姿で、どちらも踊りの輪の外にいます。色鮮やかな装いとは裏腹に、卓の周りだけ時間が止まったような静けさがあります。
■アーティスト
山村耕花 [ やまむらこうか ] (1885-1942)
明治から昭和にかけて活躍した日本画家・版画家です。尾形月耕に師事した後、東京美術学校を卒業し、院展を中心に風俗人物画で頭角を現しました。版画の世界では、大正5年(1916年)に渡邊版画店から役者絵の新版画を発表したことを機に、その名が広く知られるようになります。大正9年から11年にかけて制作した「梨園の華」シリーズ全12点は代表作として名高く、鋭い観察眼と写楽にも通じる誇張表現で舞台の臨場感を見事に捉えました。「大正の写楽」と称されるゆえんです。浮世絵や大津絵、蒔絵、陶磁器などの古美術蒐集家としても知られ、その深い知識は舞台装置の制作にも活かされました。絵画・版画・舞台美術と多方面にわたる活動を展開しながら、昭和17年(1942年)に没しました。
■作品概要
踊り 上海ニューカルトン所見(おどり しゃんはいにゅーかるとんしょけん)
淡い光の差すアーチ窓の下で、四組の男女がステップを踏みます。黒い上着の男たちに抱かれ、青や緑、紅のドレスが腕の動きにつれて斜めに流れていきます。手前の円卓には白いクロス、赤い果実を沈めた脚付きのグラスが二つ。左の女性は赤茶の断髪で頬杖をつき、踊りの輪から目をそらすように横を向いています。桃色から黄へ移ろうドレスをまとい、椅子の背には朱地に大輪の花を散らした布が掛けられています。右の女性は背を向けたまま。白い花と羽根を飾った赤い帽子、黒地に葉文様のドレス、緑と金の羽扇。踊る者と座る者、喧騒と沈黙が、一つの卓を挟んで隔てられています。伝統の木版の技で摺り上げられた、ジャズの響く異国のホール。その取り合わせに、華やぎの奥のけだるい現実がにじみます。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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