ハイリガー・ウラジミール 33-100006
1911年は「青騎士」誕生の年であり、カンディンスキーが精神性と色彩の関係を深く探求していた時期です。モスクワ生まれの画家にとって、正教会のイコンや民間伝承は幼少期から身に染みた色彩体験でした。聖ウラジーミルという主題の選択は、単なる宗教画への回帰ではなく、スラヴの魂・信仰・色彩が一体であるという信念の表明です。青という色が精神性の最高音として鳴り響いています。
■アーティスト
ワシリー・カンディンスキー [ Wassily Kandinsky ] (1866/12/4-1944/12/13)
ロシア生まれの画家であり、抽象絵画の先駆者として知られています。
もともとは法学を学び、30歳を過ぎてから画家を志してミュンヘンへ移住。1909年には「青騎士(Der Blaue Reiter)」グループを結成し、表現主義運動の中心的存在となりました。カンディンスキーは、音を聞くと色を感じるという色聴共感覚の持ち主だったといわれ、彼の作品には音楽的リズムや旋律のような調和が息づいています。色彩と形の関係を深く探求し、視覚によって感情や精神性を表現する「内的必然性(inner necessity)」を芸術の核心と考えました。代表作「コンポジション」シリーズをはじめ、1911年に発表した著書『芸術における精神的なもの』は、抽象芸術の理論的基盤を築き、後の芸術家たちに大きな影響を与えました。また、バウハウスで教鞭をとり、20世紀の美術とデザインの発展に決定的な足跡を残しました。
■作品概要
Heiliger Wladimir (1911)
青の轟音が、大地を満たしています。コバルトブルーの法衣を纏った巨大な聖人が、黄金の光輪を背に十字架を高く掲げ、大地そのものとなって民を包んでいます。右手には十字架、左手には金色の玉葱型ドームを頂く正教会の聖堂。これは聖ウラジーミル大公。988年にキリスト教を国教として導入し、キエフ大公国をキリスト教化した東スラヴの守護聖人です。下部には無数の白い人々が密集し、洗礼を受けた民の魂のように静かに揺れています。赤と茶の雲が轟き、左方では黒い輪郭線の針葉樹が波打つ。ロシアの聖画(イコン)の伝統を継ぎながら、ガラス絵という技法が色に深みと聖性を宿らせています。信仰と色彩が一体となった、魂の共鳴です。
■サイズ
・A4/ 210mm×210mm
・A3/ 297mm×297mm
・A2/ 420mm×420mm
■材質
半光沢紙使用
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
カンディンスキー Kandinsky Heiliger Wladimir 聖ウラジーミル 1911年 ガラス絵 Hinterglas イコン ロシア正教 キエフ大公国 東スラヴ 聖人 十字架 正教会 青騎士 Der Blaue Reiter 表現主義 コバルトブルー 黄金 光輪 法衣 洗礼 民間伝承 精神性 色彩 ロシア 聖画 抽象への過渡期 モスクワ 信仰と芸術 玉葱型ドーム 近代美術 20世紀絵画
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