名所江戸百景 両国船中浅草遠景 31-100267
図の左に立つのは、小さな御幣を無数に挿した梵天です。大山詣りの一団が両国の水辺で掲げたものとされ、右端の舟にも小ぶりの梵天が見えます。紅白の紙が風を受ける様が、夏の旅立ちの高揚を伝えます。
■アーティスト
歌川 広重 (うたがわ ひろしげ) [ 寛政9年(1797年) - 安政5年9月6日(1858年10月12日) ]
江戸の情緒を鮮やかに描き出した浮世絵師であり、その風景画は心に静かな余韻を残します。北斎がダイナミックな構図と力強さで自然の迫力を描いたのに対し、広重は移ろう季節や雨、雪、夕暮れといった繊細な瞬間を優美に表現しました。特に、深く澄んだ藍の色調「ヒロシゲブルー」は、彼の風景画を象徴する存在であり、異国の人々にも「日本の青」として強い印象を与えました。『東海道五十三次』に代表される旅情豊かな連作は、江戸庶民にとって憧れの旅を紙の上で体験させる窓であり、同時に自然と人間の調和を静かに語りかけます。広重の作品は今なお、淡い雨や霞む空気までをも感じさせ、私たちに日常の中の美しさと一瞬の儚さを見つめ直させる力を持ち続けています。
■作品概要
名所江戸百景 両国船中浅草遠景(めいしょえどひゃっけい りょうごく せんちゅう あさくさ えんけい)
天を突くように立つ竹の柱に、紅白の御幣が房のように束ねられています。梵天と呼ばれるこの飾りは、夏の大山詣りに向かう一団が掲げたものとされ、両国のたもとはその出立の賑わいに満ちていました。水面には小舟が行き交い、右下の舟には、笠や傘をかぶった人々が肩を寄せ合います。遠くの岸には橋と緑が連なり、赤い空の下に、筑波山とされる山のかたちが浮かびます。大きな梵天を近景に据え、はるかな眺めを細く覗かせる構図は、広重ならではの大胆さ。旧暦六月末から七月にかけて、水垢離で身を清め、霊山をめざした人々の祈りと行楽の気分が、澄んだ空気のなかに漂います。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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