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醜女の肖像 27-100003

3,450円(税込)

定価 3,900円(税込)

A4(21×29.7cm)
A3(29.7×42cm)
A2(42×59.4cm)
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虚栄を突き抜けた先の自尊心、ダヴィンチも愛した驚異の造形
老婆の極端に突き出した顎や平らな鼻は、当時も驚きと嘲笑を与えたかもしれません。しかし、彼女の真っ直ぐな視線には、周囲の目を撥ね退けるような強い意志と、自らの「美」を信じ込もうとする痛々しいほどの情熱が宿っています。流行遅れの贅沢な装飾品は、もはや彼女を守る鎧ではなく、その内面にある孤独を晒し出す鏡となっています。

■アーティスト
クエンティン・マサイス [ Quentin Massys ] (1466–1530)
15世紀末から16世紀初頭に活躍したフランドル絵画の重要な画家です。初期ネーデルラント絵画の写実性を受け継ぎながら、人物の感情や性格をより強く意識した表現を発展させました。宗教画では静かな敬虔さを保ちつつ、市井の人々を描いた作品では、皮肉や温かみを含んだ人間味がにじみます。写実的な細部描写と柔らかな表情表現が共存し、画面には現実感と寓意性が重なります。イタリア滞在の経験を通じてルネサンス美術の動向にも触れ、レオナルド・ダ・ヴィンチと交流を持ったと伝えられています。その影響は、人物の構成や心理的な奥行きへの関心に表れ、北方の伝統とイタリア的感性をつなぐ存在として位置づけられます。

■作品概要
A Grotesque old woman
イタリアのダヴィンチとフランドルのマサイス。二人の天才がどちらの着想を先としたにせよ、この作品に込められた圧倒的な「人間力」はマサイスの筆によって完成を迎えました。緻密な皺、浮き出た血管、そして異形とも言える骨格。これらは単なる醜さの記録ではなく、流行を追い、美しくありたいと願う「人間という生き物」の滑稽で、かつ愛おしいほどの執念を、当時の最先端技術である油彩で凝縮したものです。マサイスはこの女性を、単なる笑いものとして突き放してはいません。彼女が纏う精巧なレースや重厚な宝飾品は、彼女自身が「私はまだ美の現役である」と世界に宣言している証拠です。たとえそれが世間の美意識から外れていたとしても、自らのスタイルを貫くその姿には、ある種の自律した気高ささえ漂います。ダヴィンチをも惹きつけたこの強烈なキャラクターは、時代を超えて「美とは何か、人間とは何か」という問いを私たちに突きつけ続け、心に消えない爪痕を残すのです。

歴史的には、ダヴィンチの「失われた原画」をマサイスが参考にしたという説が有力でしたが、近年の研究では「マサイスの独創的な絵を、ダヴィンチやその弟子たちが模写したのではないか」という、逆の流れの可能性も議論されています。どちらが先であれ、二人がお互いのデッサンを交換し合うような、当時の「巨匠同士のネットワーク」があったことは間違いないようです。
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1513年頃の傑作『醜女の肖像』を鑑賞する際、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』との比較は欠かせません。北方ルネサンスの巨匠クエンティン・マサイスは、伝統的な油彩画の技法を用い、背景を排して老婆の存在感を際立たせました。特に手のポーズにおいて、静謐なモナ・リザとは異なる「動」の描写を加え、薔薇の蕾を摘む仕草に老いと虚栄という複雑な感情を込めました。美意識の対比を狙ったこのパロディ的構成は、写実主義に基づいた肌の質感や、自律した意志を感じさせる心理的な深みを生んでいます。豪華な宝飾品を誇示する手の動きは、一人の人間が抱える美への執着と存在感を象徴する演出です。本絵画解説を通じて、二人の巨匠の影響関係を紐解きながら、歪んだ造形の裏側に宿る芸術の真理を深く鑑賞してください。

■サイズ
・A4/ 210mm×297mm 
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm

■材質
半光沢紙使用
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。

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