桜に尉翁 25-100101
まだ肌寒い風のなか、桜の枝先で羽を休めるジョウビタキの姿は、春の到来を告げる最もドラマティックな光景です。古邨は、花が咲きこぼれる直前の、世界が息を呑むような一瞬の緊張感を鮮やかに封じ込めました。
■アーティスト
小原古邨 [ おはらこそん ] (1877-1945)
本の画家・木版画の下絵師で、花鳥画を中心に活躍しました。本名は小原又雄で、加賀国(現・石川県)出身。鈴木華邨に学び、フェノロサの影響を受けながら、アメリカ向けの花鳥画を多く制作しました。初期は肉筆画を発表し、版元・松木平吉の依頼で版画の下絵を手掛けました。大正時代には「祥邨」、昭和初期には「豊邨」と号を改め、渡辺版画店などを通じて多くの作品を発表。彼の版画は、伝統的な浮世絵技法と写実的な表現を融合させた独自のスタイルで評価されています。作品は主に海外輸出向けで、ボストン美術館や大英博物館などに所蔵。近年、日本国内でも展覧会が開催され、その芸術性が再評価されています。
■作品概要
桜に尉翁(さくらにじょうびたき)
春霞のなか、桜がその命を静かに解き放つ刹那、二羽のジョウビタキが枝を揺らします。古邨が描いたこの一幅は、春の予感に震える自然界の劇的な目覚めを鮮烈に捉えています。斜めに横切る桜の太い幹。その力強い生命の証とは対照的に、薄紅色の蕾は今にもほころびそうなほど繊細に描かれています。古邨の卓越した感性は、画面全体に漂う湿り気を帯びた空気感をも描き出し、一瞬にして春の静寂のまっただ中へと引き込みます。つがいで寄り添うジョウビタキの親密な姿からは、厳しい冬を乗り越えた者だけが共有できる、再生への強い意志が伝わってきます。羽毛の一筋一筋に宿る色彩のグラデーション、そして愛らしい瞳に宿る確かな光。これらが桜の白さと見事に共鳴し、生命が躍動し始める際の見事なエネルギーが溢れ出しています。
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小原古邨によるこの花鳥画は、浮世絵の伝統的な美意識を継承しつつ、独自の写実表現を極めた新版画の白眉です。桜の枝で静かに寄り添うジョウビタキの描写には、春の訪れを祝うような瑞々しい生命感がみなぎっています。明治から昭和にかけて洗練された木版画の技術は、鳥の羽の質感や桜の花びらの淡い彩りをドラマチックに描き出し、画面全体に豊かな叙情と静寂をもたらしました。日本美術が誇る季節感を、春という再生の季節を通して表現した本作は、和モダンな美学を象徴するデザインとして、現代のインテリア空間においても心揺さぶるアートとして愛されています。レトロな風合いの中に息づく繊細な風景は、深い癒やしを与えます。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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お届けについて
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