萩に鼬 25-100106
風にそよぐ萩の枝。その柔らかなカーテンを押し広げるようにして姿を現した鼬は、静寂を支配する孤高の存在です。古邨は、愛くるしい風貌のなかに隠された、野生ならではの鋭敏な知性と瞬発的なエネルギーを、息を呑むようなリアリズムで封じ込めました。
■アーティスト
小原古邨 [ おはらこそん ] (1877-1945)
本の画家・木版画の下絵師で、花鳥画を中心に活躍しました。本名は小原又雄で、加賀国(現・石川県)出身。鈴木華邨に学び、フェノロサの影響を受けながら、アメリカ向けの花鳥画を多く制作しました。初期は肉筆画を発表し、版元・松木平吉の依頼で版画の下絵を手掛けました。大正時代には「祥邨」、昭和初期には「豊邨」と号を改め、渡辺版画店などを通じて多くの作品を発表。彼の版画は、伝統的な浮世絵技法と写実的な表現を融合させた独自のスタイルで評価されています。作品は主に海外輸出向けで、ボストン美術館や大英博物館などに所蔵。近年、日本国内でも展覧会が開催され、その芸術性が再評価されています。
■作品概要
萩に鼬(はぎにいたち)
静まり返った秋の夕暮れ、風に揺れる萩の茂みから、一筋の鋭い視線が空間を射抜きます。愛らしい秋の情景のなかに潜む、野生の一瞬の緊張感を劇的に捉えた傑作です。優美に彩るのは、淡い桃色の花をこぼさんばかりに咲かせた萩の枝。そのしなやかな曲線とは対照的に、鼬(いたち)の引き締まった肉体が、今まさに獲物を狙うかのような、あるいは外敵を警戒するかのような静かな殺気を漂わせています。鼬の毛並みの一本一本に宿る柔らかな質感、そして金色の光を放つ瞳。古邨は、緻密な観察眼によって、野生動物が持つ特有の賢明さと、一瞬の隙も見せない緊迫感を見事に描き出しました。背景に広がる無限の静寂は、鼬が生きる厳しい自然界の広がりを予感させ、主役である彼の存在をよりいっそう鮮烈に浮かび上がらせます。花々の可憐な美しさと、捕食者が放つ鋭い生命の輝き。この美と力が激しく交錯する刹那には、万物が冬を前に命を燃やす、秋という季節の真髄が凝縮されているのです。
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小原古邨が手がけたこの花鳥画は、浮世絵の伝統的な装飾美と、西洋的な写実を融合させた新版画の白眉です。秋の風景を象徴する萩の花影から現れた鼬の描写には、観る者を一瞬で引き込むような、鋭くも美しい生命感が宿っています。明治から昭和にかけて洗練された木版画の技術は、鼬の柔らかな毛並みの質感や、萩の可憐な彩りをドラマチックに描き出し、画面全体に深い叙情と静寂をもたらしました。日本美術が大切にしてきた自然への畏敬の念を、動物の瑞々しい姿を通して描いた本作は、和モダンなデザインとして、現代のインテリア空間においても圧倒的な存在感を放つアートです。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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お届けについて
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