蜘蛛をねらう翡翠 19-100224
水辺から飛び込んで魚を捕る姿で知られる翡翠が、枝に逆さまにしがみついて蜘蛛を狙う。この意外な行動を景年は見事に捉えています。青と橙のツートンカラーが逆さまになることで、普段とは全く異なる生き物のように見えるから不思議です。
■アーティスト
今尾景年(いまお けいねん、1845年〈弘化2年〉8月12日 - 1924年〈大正13年〉10月5日)
幕末から大正時代にかけて活躍した日本画家で、京都画壇の重鎮として知られます。幼少期より絵に親しみ、四条派の柴田義董や円山派の塩川文麟に師事し、伝統的な日本画の技法を学びました。写実的かつ繊細な筆致で知られ、花鳥画、山水画、美人画など多彩なジャンルを手がけました。景年は、明治以降の日本画再興運動において中心的な役割を果たし、京都府画学校(現・京都市立芸術大学)の設立にも関与。後進の育成に尽力し、竹内栖鳳ら近代日本画の巨匠たちを輩出しました。その画風は伝統を踏まえつつも、時代の美意識に応じて洗練され、装飾性や詩情に富んでいます。帝室技芸員にも任命されるなど公的にも高く評価され、国内外の博覧会で受賞歴も多く、日本画の近代化に大きな貢献を果たしました。今尾景年は、明治から大正にかけての美術界において、日本画の正統と革新を架け橋のように繋いだ重要な存在です。
■作品概要
蜘蛛をねらう翡翠(くもをねらうかわせみ)
逆さまで枝にしがみつき、頭を下に向け、翡翠が蜘蛛を狙っています。魚を狩る鳥として知られる翡翠が、こんな場面を見せることがあるのか。景年はその一瞬を見逃しませんでした。青く輝く背と橙の腹、宝石のような色彩を持つこの小さな鳥が、逆さまになって必死に蜘蛛を狙う姿は、愛らしくも真剣です。実は翡翠は魚だけでなく、昆虫や蜘蛛なども食べる機会主義的な捕食者。その本能が、この珍しい瞬間を生み出しました。淡く色づいた実をつけた枝、蜘蛛の巣の細い糸、葉の陰。景年の細密な筆が、この秋の庭の片隅を余すところなく描き込んでいます。大部分を占める余白が、この一瞬の静けさと緊張をさらに際立たせています。「翡翠」という漢字は、この鳥の美しさゆえに宝石のヒスイに名付けられたほど。その宝石が、今まさに獲物に集中している。日常の中の小さな命の劇が、景年の筆によって永遠の美へと昇華されています。
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今尾景年が1892年から1911年の間に描いた「蜘蛛をねらう翡翠」は、明治・大正期の京都画壇四条派を代表する花鳥画の傑作で、枝に逆さまにしがみついて蜘蛛を狙う翡翠の珍しい瞬間が「綺麗濃褥」と評された景年の細密描写で表現されています。青と橙の宝石のような色彩を持つ翡翠の意外な素顔と、蜘蛛の巣・色づく実・暗い葉が織りなす秋の庭の静かな詩情が余白の美学の中に凝縮されています。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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