書斎のナポレオン 20-100106
1804年に公布された民法典は、法の前の平等や所有権の保障などを定め、多くの国の法制度に影響を与えました。
■アーティスト
ジャック=ルイ・ダヴィッド [ Jacques Louis David ] (1748-1825)
フランス新古典主義絵画の頂点に立った画家であり、革命と権力の時代を生き抜いた政治的芸術家でもありました。ロマン主義が感情の爆発を絵画に持ち込む直前の時代、ダヴィッドは理性・秩序・道徳を画面に体現しました。古代ギリシャ・ローマへの回帰を掲げ、英雄的な主題を彫刻のように端正な構図で描いた作品群は、緊張と崇高さを同時に与えます。フランス革命ではロベスピエールと親交を持ち、革命の公式画家として活動しました。しかしロベスピエール失脚後は投獄され、その後ナポレオンの宮廷画家へと転身します。信念か生存か、その境界線上を生き続けた画家です。代表作「ナポレオンの戴冠式」は縦9メートルを超える大作で、権力の絶頂を記録した歴史的証言でもあります。美しいものを描きながら、常に権力の匂いがする。それがダヴィッドという画家の避けがたい本質です。
■作品概要
The Emperor Napoleon in His Study at the Tuileries
戦場の英雄ではなく、書斎に立つ一人の男。少し後退した額と、わずかに膨らんだ腹。軍服の胸には勲章が光り、片手を上着に差し入れています。背後の時計は4時13分を指し、ろうそくはほとんど燃え尽きようとしています。机の上の書類には「CODE」の文字。夜を徹して、のちにナポレオン法典と呼ばれる民法典に取り組んでいた、という物語がここに込められています。この絵を見たナポレオンは、夜は臣民の幸福のために働き、昼は彼らの栄光のために働いている、と喜んだと伝えられます。描かれた1812年は、ロシア遠征の年。この後、彼の帝国は急速に崩れていきます。けれど晩年、流刑の島で彼は、数々の戦勝よりも、永遠に残るのはわが民法典だと語ったとされます。剣ではなく、言葉と仕組みが時代を越えていく。人が本当に後に残せるものは何なのか。燃え尽きかけた灯りが、静かにそう問いかけてきます。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/297mm×420mm
・A2/420mm×594mm
■材質
0.26mm厚半光沢紙使用
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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