鹿 21-100124
北斎は、鹿の顔や瞳を描くことなく、その背中のライン一本で生きる力を表現しました。天に向かって鋭く伸びる枝角と、どこか寂寥感を漂わせる後ろ姿。この構図は、人間には決して媚びることのない自然界の厳しさと、神の使いとも称される鹿の神聖さを同時に象徴しています。
■アーティスト
葛飾北斎 (1760-1849)
江戸時代後期を代表する浮世絵師で、その画業は70年にわたりました。北斎は19歳の頃に勝川春章に師事し、浮世絵師としての活動を開始しました。その後、彼は独自のスタイルを追求し、様々なテーマに挑戦してきました。風景、歴史上の人物、花魁、役者、動植物、自然現象、仏教道具、妖怪など、彼が手掛けたテーマは多岐にわたり、生涯で34,000点以上の作品を残しました。
北斎は、当時の日本画では珍しかった西洋の絵画技法にも興味を持ち、銅版画や油絵などを取り入れました。彼の作品は19世紀後半のヨーロッパにも影響を与え、ジャポニスムと呼ばれる日本美術の流行を生みました。
■作品概要
鹿
深い霧の中からふと姿を現したかのような、幻想的な静寂。北斎が描いたこの『鹿』は、余計なものを一切削ぎ落とした墨一色の表現の中に、野山を駆ける生き物の崇高な魂を封じ込めています。目を引くのは、その大胆な後ろ姿の構図です。こちらに背を向け、耳を澄ませて遠くを見つめる鹿の佇まいは、想像を掻き立てます。北斎はあえて表情を描かないことで、野生動物が持つ特有の警戒心と気高さを見事に描き出しました。特筆すべきは、卓越した「たらし込み」のような技法です。背中の丸みや脚の筋肉の隆起を、墨の滲みと濃淡だけで立体的に表現しています。細く鋭いツノの筆致と、柔らかな体躯の対比。画面の余白はそのまま静かな森の空気となり、鹿が発する微かな吐息や、落ち葉を踏む音さえ聞こえてくるようです。北斎の筆は、形を描くだけでなく、その場の気配をも写し取っているのです。
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葛飾北斎が描いたこの鹿は、江戸時代の日本美術が到達した水墨画的表現の傑作です。野生の動物が持つ崇高な気配を、あえて後ろ姿という斬新な構図で捉えた本作は、観る者の想像力を刺激するデザイン性に満ちています。北斎の筆致は、天に伸びる枝角の鋭さと、墨画特有の滲みや濃淡を活かした柔らかな体躯の対比を鮮やかに描き出しました。写生に基づいた正確な観察眼と、余白を活かした伝統的な演出が、静寂な空気と命の刹那を吹き込んでいます。瑞獣や神使としても尊ばれる鹿の姿を、博物学的な視点と芸術的な感性で昇華させたこの浮世絵(肉筆画)は、一筆ごとに命が宿るような迫力を持っています。墨の呼吸が聞こえてくるようなこの作品は、時を超えて現代の私たちに、自然と向き合う伝統美のあり方を静かに問いかけています。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
葛飾北斎 鹿 墨画 水墨画 後ろ姿 浮世絵 日本美術 江戸時代 芸術 筆致 滲み 濃淡 構図 伝統 写生 野生 動物 静寂 崇高 気配 枝角 瑞獣 神使 余白 デザイン 博物学 命 刹那 傑作
お届けについて
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