月に鴉図 21-101707
満月の白と鴉の漆黒という究極の対比。暁斎は色彩を一切排し、墨の濃淡と余白のみで夜の静寂と神秘を描き切っています。大胆に省略された背景が、かえって鴉の存在感を際立たせ、見る者の想像力を広大な夜空へと誘います。
■アーティスト
河鍋暁斎 [ かわなべきょうさい] (1831-1889)
幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師・日本画家で、江戸最後の天才絵師とも称されます。7歳で浮世絵師・歌川国芳のもとで絵を学び始め、その後狩野派にも入門。浮世絵の自由な発想と狩野派の高度な技術という、当時としては異色の両方の要素を身につけた絵師でした。流派の枠に収まらず、妖怪・骸骨・鬼・地獄・戯画など個性的な題材を描き続け、自らを「画鬼」と称しました。 1870年(明治3年)には書画会の場で明治政府の役人を批判する風刺画を描いたとして捕えられ、鞭打ち50回の刑に処される筆禍事件が起きました。翌年放免後、画号を「狂斎」から「暁斎」と改めて活動を再開します。その作風は国内よりも欧米で早くから高く評価されており、近代漫画や風刺画の先駆けとしても再評価が進んでいます。
■作品概要
月に鴉図(つきにからすず)
満月を背に、枯れ枝へと降り立つ一羽の鴉。漆黒の羽が月の白さを受けて際立ち、その存在は静寂の中で凄みをもって浮かび上がります。奔放な筆致で描かれた羽毛の乱れは、風を切ってきた勢いそのもの。枯れ枝のねじれた線が、夜の孤独と野性の気配を静かに語っています。月と鴉の組み合わせは、日本絵画において古くから詩情豊かな画題として愛されてきました。余白に広がる月の白、墨の黒、その二色だけで宇宙を描き出す暁斎の筆力は、まさに「画鬼」の名にふさわしい凄絶な美しさです。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■関連キーワード
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