コンポジション 1932 25-100003
寒色の青と暖色の黄・赤が、四つの領域に分かれながらも中心で溶け合っています。色面に刻まれた細かな筆致が光の揺らぎを生み、平坦さのなかに奥行きを与えています。異なるものが隔てなく結ばれる、穏やかで力強い均衡です。
■アーティスト
オットー・フロイントリッヒ [ Otto Freundlich ] (1878-1943)
フロイントリッヒの作品に初めて触れたとき、その色彩の豊かさに思わず立ち止まります。深い青、燃えるような赤、柔らかな黄色。それらが幾何学的なモザイクとしてすべてを埋め尽くし、色と色が境界で響き合います。具体的な形を持たないにもかかわらず、見ているうちに光や音楽のようなものが感じられてくる。それがフロイントリッヒの抽象の力です。ピカソとも交流したパリの前衛芸術の中心にいながら、フロイントリッヒはひたすら色彩の純粋な力を探求し続けました。装飾でも主張でもなく、色そのものが呼吸しているような画面。その静かなエネルギーは、カンディンスキーやクレーとも異なる独自の境地です。1937年、ナチス政権はその作品を「退廃芸術」として没収しました。嘲笑のために開かれた展覧会のポスターに使われたのは、皮肉にもフロイントリッヒ自身の彫刻でした。それでも色は残っています。今もこうして、静かに光を放ちながら。
■作品概要
Composition (around 1932)
澄んだ青、陽だまりの黄、土のような赤褐色。三つの色の領域が出会うその中心で、半月形や葉のような形が風車のように交差し、ゆるやかに回りはじめます。大きく区切られた色面の上に、細かな筆致が細い線のように刻まれ、平らな色にかすかな振動を与えています。ひとつの色の中にも、光の揺らぎがあります。黄の半円は昇る光のように、赤の半円はそれを受けとめる器のように。対立するはずの暖色と寒色が、ここでは押し合うことなく、ひとつの回転の中に結ばれています。境界はあっても、隔たりはない。静かな構成のうちに込められた、調和への強い意志。色は分かたれながら、ひとつの動きを共にしている。その均衡に、画家が信じたものの輪郭が、そっと浮かびあがります。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
半光沢紙使用
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
オットー・フロイントリッヒ フロイントリッヒ Otto_Freundlich composition コンポジション 1932年頃 抽象絵画 幾何学的抽象 抽象画 青 黄色 赤 赤褐色 三原色 半円 風車 回転 交差 調和 均衡 補色 色面 筆致 光 20世紀美術 近代絵画 モダンアート 非具象 アート 名画 絵画解説
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