光の輪 宇宙の虹 1922 25-100013
粉をまとったような粒子状の質感が、色の境目をやわらかくほどき、光が震えながらにじむ気配を生んでいます。下方の深い黒の奥にも、小さな黄色がのぞいているのが印象的。闇のなかにも光の芽を見いだす、静かなまなざしが感じられます。
■アーティスト
オットー・フロイントリッヒ [ Otto Freundlich ] (1878-1943)
フロイントリッヒの作品に初めて触れたとき、その色彩の豊かさに思わず立ち止まります。深い青、燃えるような赤、柔らかな黄色。それらが幾何学的なモザイクとしてすべてを埋め尽くし、色と色が境界で響き合います。具体的な形を持たないにもかかわらず、見ているうちに光や音楽のようなものが感じられてくる。それがフロイントリッヒの抽象の力です。ピカソとも交流したパリの前衛芸術の中心にいながら、フロイントリッヒはひたすら色彩の純粋な力を探求し続けました。装飾でも主張でもなく、色そのものが呼吸しているような画面。その静かなエネルギーは、カンディンスキーやクレーとも異なる独自の境地です。1937年、ナチス政権はその作品を「退廃芸術」として没収しました。嘲笑のために開かれた展覧会のポスターに使われたのは、皮肉にもフロイントリッヒ自身の彫刻でした。それでも色は残っています。今もこうして、静かに光を放ちながら。
■作品概要
Lichtkreise (Kosmischer-Regenbogen) (1922)
Circles of Light (Cosmic Rainbow) (1922)
淡い黄の線が、いくつもの弧を描いて重なっています。そのあいだを満たす青、緑、橙、赤。中心には、褐色の楕円がひとつ、静かに息をひそめています。題が告げるのは、光の輪、そして宇宙の虹。空にかかる虹を写したのではなく、光そのものが幾重にも環をなして広がっていく、その根源のかたちを描こうとしたかのようです。粉をまとったような粒立つ質感が、色の輪郭をやわらかくほどき、光が震えながらにじみ出る気配を伝えています。上方には明るい帯がゆるやかに反り、下方には深い黒。その黒の奥から、ふたたび小さな黄色がのぞいています。闇の底にも、光の芽はある。弧は閉じることなく、外へ、外へとひらいていきます。ひとつの小さな中心から、世界全体へと響きわたってゆく光。宇宙と響き合おうとする、はるかな意志のかたちです。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
半光沢紙使用
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
オットー・フロイントリッヒ フロイントリッヒ Otto_Freundlich Lichtkreise Kosmischer_Regenbogen 光の輪 宇宙の虹 1922年 抽象絵画 抽象画 虹 光 弧 同心円 宇宙 コスミック 黄色 青 緑 橙 赤 黒 褐色 粒子 質感 パステル調 光のふるえ 20世紀美術 近代絵画 モダンアート 非具象 絵画解説
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