391 No.3 表紙 フラメンカ 16-101001
ピカビアが1910年代に展開した、メカノモルフィズムの典型作。人体・感情・官能を機械の断面図として描くことで、人間中心主義的な芸術観を根底から嘲笑しています。整然と並ぶ黒点と歯の列は、官能どころか精密工学の冷徹さそのものです。
■アーティスト
フランシス・ピカビア [ Francis Picabia ] (1879-1953)
フランス生まれの画家で、ダダイズムとシュルレアリスムの中心的人物のひとりです。生涯を通じてひとつの様式に留まることを拒み、印象派から始まりキュビスム、抽象絵画、機械絵画、ダダ、そして具象へと絶えず変貌し続けました。その変節ぶりは批判を受けることもありましたが、ピカビア自身は矛盾を楽しむように様式を乗り換えていきました。特に注目されるのが「機械絵画」の時代です。人間の感情や関係性を機械の図面のように描いた作品群は、冷徹でありながら奇妙なユーモアをはらんでいます。愛や欲望を部品と歯車で表現するその手法は、当時の芸術界に挑発的な問いを投げかけました。既存の価値をすべて笑い飛ばすような姿勢はダダの精神そのものであり、マルセル・デュシャンとの交流がその過激さに拍車をかけました。何者にも定義されることを拒んだ画家。ピカビアの作品の前では、「芸術とは何か」という問い自体が宙吊りになります。
■作品概要
Front cover (1917)
「391」、それは雑誌の名であり、ピカビア自身の檄文であり、既存の芸術制度への宣戦布告でした。1917年3月1日、バルセロナで発行された第3号の表紙を飾るのは、FLAMENCAと題された一台の機械。フラメンコを踊る情熱的な女性?いいえ、そこにあるのは注射器とも、エンジンの断面とも読める冷徹な機械図です。情念と官能をまとうはずのフラメンカという名を、無機質な部品の集積に貼り付けるとき、ピカビアは問いかけます。人間の欲望もまた、精巧に噛み合う歯車に過ぎないのではないか、と。価格「0'60」、日付「1 Mara 1917」まで印刷された、これはアートか印刷物か。その問い自体が、すでに罠です。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
半光沢紙使用
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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