名所江戸百景 よし原日本堤 31-100282
上空には細い月が浮かび、鳥の群れが長い斜線を描いて飛んでゆきます。鳥は雁とみられ、冬の空を渡る姿が、堤を行く人々の足取りと対照をなしています。
■アーティスト
歌川 広重 (うたがわ ひろしげ) [ 寛政9年(1797年) - 安政5年9月6日(1858年10月12日) ]
江戸の情緒を鮮やかに描き出した浮世絵師であり、その風景画は心に静かな余韻を残します。北斎がダイナミックな構図と力強さで自然の迫力を描いたのに対し、広重は移ろう季節や雨、雪、夕暮れといった繊細な瞬間を優美に表現しました。特に、深く澄んだ藍の色調「ヒロシゲブルー」は、彼の風景画を象徴する存在であり、異国の人々にも「日本の青」として強い印象を与えました。『東海道五十三次』に代表される旅情豊かな連作は、江戸庶民にとって憧れの旅を紙の上で体験させる窓であり、同時に自然と人間の調和を静かに語りかけます。広重の作品は今なお、淡い雨や霞む空気までをも感じさせ、私たちに日常の中の美しさと一瞬の儚さを見つめ直させる力を持ち続けています。
■作品概要
名所江戸百景 よし原日本堤(めいしょえどひゃっけい よしわら にほんづつみ)
細い月がかかる空を、雁とみられる鳥の列が、長い斜線を描いて渡ってゆきます。灰青の空の端には、ほのかな朱の色。低く伸びる日本堤の上の道には、葦簀を掛けた茶屋が軒を連ね、駕籠をかつぐ人々や、連れ立って歩く人影が行き交います。堤のかたわらには、青い水面と木立が静かに広がります。日本堤は、隅田川の水害から浅草を守るため、二代将軍秀忠のころに築かれたと伝わる土手。のちに、明暦の大火を機に移転してきた新吉原へ通う遊客の道としても、その名を知られました。華やかな遊郭の気配をはらみながら、絵に漂うのは、冬の澄んだ静けさ。吉原へ向かう人々の足取りを、月と鳥がやさしく見守ります。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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