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歌川国貞

歌川国貞 [ うたがわ くにさだ ] (1786-1865) 三代目歌川豊国
江戸後期を代表する浮世絵師で、歌川派の中でも圧倒的な制作量と人気を誇りました。初代豊国の門人として出発し、役者絵を中心に評価を高め、後には「豊国」を襲名します。国貞の作品は、当世風の華やかな色彩と、人物の感情やしぐさを誇張した表現に特徴があります。特に歌舞伎役者の似顔絵では、観る者が役柄や物語を即座に理解できる分かりやすさが支持されました。一方で、美人画や物語絵にも力を発揮し、庶民の生活感覚や流行を巧みに取り込んでいます。伝統を踏まえながらも時代の好みに柔軟に応えた姿勢こそが、国貞を江戸随一の人気絵師に押し上げた要因といえるでしょう。

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